聳え立つ鉄のオブジェに人の知恵加わり近く劇場となる
小屋建ちて芸濃い町に春来たるジンタ軽やか弥生朔日(ついたち)
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トンネルを抜けると新宮「神の国」山に松明百火繚乱
荒縄を白装束の腹に巻き火の粉散らして「お父(とう)の祭り」
上(のぼ)り子が掲げる焔を待ちわびる婦女子の眼(まなこ)闇にきらきら
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フェイクだと「朝日」罵るその舌で捏造答弁 馬脚現す
ハナ肇「馬鹿まるだし」は笑えたが宰相夫人の「それ」は笑えぬ
損得で忖度する人数多(あまた)おり品格下劣の国になりけり
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「チョメチョメ」と悪ぶり世間を煙に巻き「白馬童子」は叛骨生きた
若き日の性愛いつも始まりは力いっぱい我シャツ脱いだ
脱ぎ捨てたシャツふわふわと宙を舞いキミの下着と重なり合った