2018年11月29日木曜日

悟り雪

僻事(ひがごと)を知って我が意を陳べるより音信(いんしん)断って矜持を保つ

『ミミのこと』ろう唖の性女をコミさん(注1)は音なき故の聖女に描(か)いた (注1)田中小実昌=直木賞作家

指で鼻つまみ力(りき)めば空気が通り聴力アップし耳 人並みに

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芸濃という名の町に芸の濃い劇団作り町史繙く

町民の力集(たか)りて芝居して町史解明(あか)して拍手喝采

鼈甲のグラサン掛けて見得切れど座頭の亀の視界真っ暗

三茶から石巻経て上野へと地を這った亀 藝は横這い

若き日に都市(まち)で焦がれし恨み雪 老いて里にて見る山白し

帰郷して背筋伸ばせば西方の山に積もりし悟り雪見ゆ

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扉にも柱にもある寺山の言の葉躍り人の輪 無限

年の瀬の歌 2018

「ちょっとだけ」友は私に後悔と思い出残し黄泉に向かった       ★「月蝕歌劇団」主宰 高取英逝去 寺山の劇魂(こころ)を身体に沁み込ませ過激に疾走(はし)り劇魔昇天 博識の劇王描く幻惑の史劇いつしか詩劇になりき 知行するときの心得花房に 死してその名の...