僻事(ひがごと)を知って我が意を陳べるより音信(いんしん)断って矜持を保つ
『ミミのこと』ろう唖の性女をコミさん(注1)は音なき故の聖女に描(か)いた (注1)田中小実昌=直木賞作家
指で鼻つまみ力(りき)めば空気が通り聴力アップし耳 人並みに
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芸濃という名の町に芸の濃い劇団作り町史繙く
町民の力集(たか)りて芝居して町史解明(あか)して拍手喝采
鼈甲のグラサン掛けて見得切れど座頭の亀の視界真っ暗
三茶から石巻経て上野へと地を這った亀 藝は横這い
若き日に都市(まち)で焦がれし恨み雪 老いて里にて見る山白し
帰郷して背筋伸ばせば西方の山に積もりし悟り雪見ゆ
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扉にも柱にもある寺山の言の葉躍り人の輪 無限
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