2018年7月29日日曜日

猿轡にて

客席と舞台さかしま野外劇 奈落なき故地獄剥き出し

母断てど顔無き男が糸引いて搦め手決めて娼婦の地獄

「糸地獄」「伊藤地獄」と言の葉連鎖 実は娼女の「一統地獄」

★       ★

風体(ふうてい)を知らぬ男の口舌は恥ずかしきかな身の程知らず

嘘重ねボスの座保つ猿の口 虚しさ断とう猿轡にて

仕組まれし集団処刑何のため誰(だ)がためならずそれ君のため

人殺すこと許されし君の鈍感 死刑執行前夜の宴

人殺す人の苦しみわからぬ君に人殺す資格あると思えず

★       ★

入り乱れ絡みからまる人模様 気が付けば我「南無阿弥陀仏」

此処でない何処か目指して飛び出して老いて此処へと戻りし凡夫

0 件のコメント:

コメントを投稿

年の瀬の歌 2018

「ちょっとだけ」友は私に後悔と思い出残し黄泉に向かった       ★「月蝕歌劇団」主宰 高取英逝去 寺山の劇魂(こころ)を身体に沁み込ませ過激に疾走(はし)り劇魔昇天 博識の劇王描く幻惑の史劇いつしか詩劇になりき 知行するときの心得花房に 死してその名の...